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当ブログでは度々登場するマクドナルド ですが、昨年から登場した『昼マック』をわずか1年で廃止する事を決定した模様です。理由としては円安が進行した事により主力の牛肉パテが3割ほど高騰した事が原因のようです。
マクドナルドにとって売上のかなりの部分を占めていた『昼マック』の廃止は同社にとって大きな影響を与えそうです。

そもそもマクドナルドは、パテはもちろんポテトなど主力商品を輸入に頼っている為、構造的に円安に弱い業態です。 当然、100円マックや通常商品も利益率が圧迫される事になり、実質的値上げとなる価格転嫁に頼らざる負えない状況に陥ってしまいました。減少し続ける売上に対し歯止めをかけるべく実施された同施策が立ち行かなくなった事で万策尽きた感は否めません。

マクドナルド同様『デフレの申し子』と言われた牛丼業界も各社次々と値下げの発表を行い、再び消耗戦に突入する気配を見せつつあります。
これら業界にとってTPP締結による原材料価格低減は明るいニュースではありますが、過当競争によりそのメリットも一瞬で消え去るような気がしてなりません。

価格での訴求は確かに一時的に売上高を増やす事には有効ですが、一度それに手を付けてしまうと、麻薬のような作用を引き起こしてしまいます。ブランド価値は劣化し、誰も定価で買おうとしなくなるのです。そして、結局はそこから抜け出せなくなるのです。
マクドナルドはまさにそこにドップリとはまってしまいました。今、ハンバーガーを定価で買おうとする人が果たしてどれほど存在するでしょうか  

その意味で原田前社長の行った米国流経営の失敗の意味は大きいと言えます。短期的には爆発的な売上の増加を生み出しますが、もはやそのブランドは地に落ちてしまいました。 
また、直営比率を急激に下げた為、優秀な人材の多くは加盟店に転籍となり、商品開発力など重要なノウハウを喪失してしまいました。


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現在、カサノバ体制に代わり立て直しに奔走してますが、正直迷走している感は拭えません。価格以外の価値をマクドナルド自身見いだせなくなっているからです。
今、必要なのは『商品開発力の強化』です。
今後、アメリカの利上げによる円安の更なる進行、人件費の高騰が進むのは確実であり、もはや価格のみで訴求するのは限界に来ています。
原点に戻り、商品ラインナップを大幅に見直す事無くして、マクドナルドの復活は在り得ません。
まさに、これからが正念場と言えます。