先日、ヤマダ電機は地方や郊外の不採算店を中心に、46店舗の閉鎖を発表しました。
2011年3月期の最盛期に2兆1533億円に達した売上高は、2015年3月期には1兆6644億円にまで落ち込みました。これでも尚、2位のビックカメラに対して2倍の売上高を誇っていますが、正直、かなりジリ貧な状況に陥っていると言えます。
もちろん、これは同業他社も同じ状況であり、ヤマダ電機特有の問題ではありません。
元来、量販店ビジネスは商品を沢山売れば売るほど多くなるメーカーからの「報奨金」を前もって値段に反映させ、ディスカウントを行う手法です。
しかし、近年はネットの普及により完全にショールーム化してしまいました。実店舗で商品を確認してネットで購入するという消費者行動が常態化してしまった訳です。
先日、スマホの買換えを検討中だった為、ヤマダ電機に行ってきました。SIMフリーの端末が欲しかったのですが、大手キャリアの製品しか無く、しょうがないので店内をブラブラしてました。
とにかく感じた事は代わり映えがしないという事でした。商品のラインナップ・展示法など、どれを見てもここ数年全く変化が無く、工夫の跡が見られません。
スマホに関しても、「SIMロック解除義務化」への対応が全く出来ていない状況でした。
そのくせ、商品を見ようとするとスグに店員が寄ってきて、「これ、如何ですか?」と声を掛けてきます。客のニーズも把握せず、いきなりどうですか?も無いと思いましたが、これでは、ゆっくり商品を見て検討したいという消費者にとっては、何とも居心地の悪い場所になってしまいます。
感想としては、何かスゴイ悪循環に陥っているような印象を受けました。売れないから店員さんも必死になり過ぎて、それが嫌で一層お客さんが離れて行くというジレンマです。
売り場も見せ方が何か古臭い印象を受けましたし、店の規模に対して店員の数が多過ぎます。あれでは、客は入り難いです。
実店舗の強みというものが殆ど生かされていない今の状態は、正直未来が見えないと感じました。ネット業者と対抗するにあたり、 値段だけで訴求する事はもはや不可能だからです。
新しい価値の創出、それが緊急課題です。