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    2015年04月



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    独VWグループ傘下のアウディ社が究極のエコ燃料とも言える「eディーゼル」の開発に成功したとの発表を行いました。

    精製に必要なものは何と水と二酸化炭素のみ。



    まず、水蒸気を摂氏800度以上に加熱して、水素と酸素に分離します。この過程には風力や太陽光など再生可能エネルギーを使用するそうです。
    次に、空気中から取り込んだ二酸化炭素と水素を合わせて高い圧力を掛け、「ブルー・クルード」という液体を作ります。
    最後に、これを精製すれば「eディーゼル」が出来上がるとの事。


    使用は単独及びガソリンなどとの混合どちらでも可能だそうです。


    今年、トヨタが水素燃料を使用した「MIRAI」を発売して話題になりましたが、この発表により次世代自動車燃料の選択肢がまた1つ増えた事になります。
    何といっても「eディーゼル」の長所は


    1)既存のガソリン車にそのまま使用出来る為、車両の買換えが不要。

    2)水素燃料に比べ取り扱いが容易。

    3)空気中の成分を使用出来る為、資源が枯渇する事が無い。
     

    ざっと考えただけでも以上のような事が考えられます。利用者にとっては1)のメリットは大きく移行へのハードルは低くなるのは勿論ですが、国家としても補助金を燃料価格の低下にのみ振り分ける事が可能であり、低コストでの運用が可能となります。

    価格面では現在のところガソリンの2倍程度のコストになるそうですが、量産効果によりある程度の抑制は可能だと思いますので、個人的には非常に興味を持ってこのニュースを受け止めました。

    日本への導入はいつになるのか分かりませんが、非常に楽しみな技術がまた1つ生まれましたね。

     



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    売上高7兆円を誇る日本最大の小売業イオン。全国に総合スーパーを600店舗展開し、行く先々で地元スーパーや商店街をなぎ倒してきた巨人がわずか数百億円規模の地元スーパーに苦戦を強いられてます。


    今、全国どこに行ってもイオンはあります。私がイオンから受けるイメージは整然とした広い店内。効率的なオペレーション。大企業らしく組織化された合理的な店舗という感じです。

    実際に店内に足を踏み入れてもそのイメージ通りの風景が広がってます。
    私は良く旅先で地元のスーパーなどを覗く事がありますが、大手に足を踏み入れる事はありません。前述したように行く前から大体のイメージが出来てしまうからです。

    一方、地元のスーパーはどうか?
    ゴチャゴチャした生鮮食売り場、発砲スチロールの箱が積まれた鮮魚売り場。そこには地元産の食品は並び、整然とした空気はありませんが、活気があります。買い物のワクワク感が実感出来るんです。


    かつてダイエーが陥った罠に今、イオンが悩んでいます。店内にはどこにってもPB商品が溢れ、判で押した様な店舗が並びます。PB商品が売れなくなると値下げをし、それが一層ブランドを毀損する「負の連鎖」に陥ります。所謂「安かろう悪かろう」というイメージの定着です。 


    企業は大規模になると、そのスケールメリットを生かすために合理化・効率化を行います。大量に商品を仕入れより安く店頭に並べる。非常に重要な事ですが、一方においてそれぞれの店舗の個性は失われます。効率性を追求すると中央集権的な組織になってしまうからです。そして、それは創意工夫という精神を現場から奪ってしまうのです。

    また、規模を追求し過ぎた事による弊害もあります。高齢者は広大な店舗は好みません。離れた駐車場から入店し、広い店内を彷徨うより、近所の歩いて行けて、より小規模な店舗を好みます。


    今、イオンはPB商品を4割削減し、商品選定・店舗作りに関わる決定権を各店舗に委譲しようとしています。そして、より地元色の濃い売り場作りを目指す決定を行いました。

    イオンの苦悩は小売業に限った話ではありません。店舗をチェーン展開する際、何処に言っても同じものがある安心感というものも重要です。しかし、それが行き過ぎると商品は多いが買いたい物は何も無いという状況に陥ります。
    そのさじ加減が企業イメージとなります。

    消費者はわがままですから、店舗に求めるものは益々多様化してくるでしょう。それに順応して変化し続ける、経営者は気の休まる暇はありません。難易度は益々高くなって行きそうです。


     

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